2006-05-14 橋本紡 ★★★☆ 本 橋本紡『流れ星が消えないうちに』を読んだ。 恋愛模様だけでなく、家族の物語をもう少し描いてほしかった。 僕の左手は、今も加地の右手を掴んでいる。 加地の左手は、奈緒子の右手を掴んでいる。 そうして僕と奈緒子は繋がってきた。加地という男をあいだに置いたまま、生きてきた。けれど、そんな関係は終わりにしなければならない。(中略)加地と繋いだ手はそのままだ。けれど、僕と奈緒子にはそれぞれ、空っぽの手がまだひとつずつある。 その手を直接繋げばいい。 (p.206-207)