読了 ★★★

人形は遠足で推理する (講談社文庫)

人形は遠足で推理する (講談社文庫)



ハイジャック犯の語る事件の真相を推理し、彼の無実を証明する話。
ハイジャックされたバス内での安楽椅子探偵ということで、『月の扉』(石持浅海)を彷彿とさせますが、本作の発表年は1991年と、『月の扉』より10年以上前。 スリルあり、笑いあり、恋愛ありと、緩急織り交ぜたストーリー展開は、非常に楽しめました。 巧いなぁ。
でも、密室の解決には拍子抜け。 密室うんぬんより、某人物の正体に鞠夫が気付いたきっかけが、本作の白眉でしょう。