『本格ミステリ04』 その2

「霧ケ峰涼の屈辱」(東川篤哉)○
犯人消失ネタに(反転)叙述トリック(反転)を絡ませた、技ありの作品。 状況説明がクドい点と、共犯の可能性を追求していない点はマイナス。 あと、真相の説明に、野球の話を持ち出す必要はない気が。
本編とあまり関係ないですが、私は”E”を縦、横、横、横の順で書きます。


「イエローロード」(柄刀一)◎
再読(本作収録の『OZの迷宮』の感想はこちら)。 大好きな作品ではありますが、こちらより「獅子の城」の方が、より本格ミステリ色が強いと思う。


「顔のない敵」(石持浅海)○
再読。 本作は、なぜか鮎川哲也に捧げる短編として発表された。 論理展開がってことかな?
タイトルが秀逸。 登場人物の少なさ故、犯人はすぐわかるが、無駄のない短編と評価できる。 警察や村人が、死体の不自然な点に気付きそうなものだが...。