OZZFEST 2004@TWEETER CENTER その1 ★★★

「OZZFEST」とは、アメリカの現メタルシーンを代表するバンドが多く出演するフェスティバルで、セカンドステージには基本的に新鋭*1、メインステージには中堅や大御所が出演する。 セカンドステージは基本的に野外ステージ、メインステージは基本的に屋内ステージ、バンドの出演時間帯は被らないが、セカンドステージ最後のバンドを最後まで観ると、メインステージ最初のバンドは、大抵の場合見逃すことになる。
今年は開演が9時、終演が23時なので、1日中メタル漬け。 今年は、飲み物が5ドルからと高く、また食べ物も例えばサマーソニックあたりと違い、そこそこお値段がはって、しかも種類豊富とはいかないのが辛い。
日本のフェスでも取り入れて欲しいなと思うのは、CDやDVDを購入すると、バンドのサイン会*2に参加できるというやつ。 日本は、アーティストを神聖視しすぎというか、興行主が観客を馬鹿扱いしてムカつくから、円滑な開催はできなさそうだけど。
前フリが長くなりました。 まずは、セカンドステージ出演バンドの雑感。 海外ライヴ初体験だった「OZZFEST 2002」セカンドステージでは、THE APEX THEORYとMESHUGGAHにやられた*3が、今年は、期待していたバンドはそこそこ、期待していないバンドはやっぱりダメという感じ。 今年は、近くの観客のことを考えず、モッシュ中両腕をぐるぐる振り回す奴が多く、ウザかった。
なお、9:00〜の13 EVEN、12:30〜のEVERY TIME I DIE、14:30〜のLAMB OF GODは、食事等のためほとんど観てません(なので雑感は省略)。


ATREYU LACUNA COIL HATEBREED
ATREYU
9:20〜 演奏開始時間が早いにもかかわらず、随分客が集まり、朝っぱらからモッシュを繰り広げ、大層盛り上がっていた。 曲はCDで聴いた印象通りで、煮え切らない曲展開に不満を覚えた。 ボーカルは叫ぶのみで、ドラマーがクリーンボーカルを担当するので、演奏的にも不満。 服装や動き等から、メタルが大好きなのはわかった。


DARKEST HOUR
9:55〜 ATREYUに比べ、あまり盛り上がらず。 印象は、今年4月に観た時とほぼ同じ。 ドラマーがミッキー・ディーっぽいと書いたが、ちと褒めすぎだったかも。


THROWDOWN
10:20〜 20分しかない演奏時間で、"Roots Bloody Roots"(SEPULTURA)をカバーするのはどうかと思った。 オリジナル曲はとてもありがち。 演奏力はそこそこ。


MAGNA-FI
10:45〜 "ERUPTION"(VAN HALEN)を披露するほどギターは巧く、バンド全体の演奏力もSLIPKNOTを凌ぎ、セカンドステージ出演バンド中トップ。 でも肝心の曲がつまらない。 日本では、THE SZUTERSというバンド名で活動していて、ポール・ギルバートのバックバンドで来日した人もいます。


DEVIL DRIVER
11:10〜 ギターの音が小さくて迫力不足。 ドラマーはキックの正確さは素晴らしいものの、タムまわしが今ひとつで、レイモンド・ヘレーラ(FEAR FACTORY)をスケールダウンしたかのよう。 バンド全体に、新人らしい勢いみたいなものに欠けている気がした。


GOD FORBID
11:35〜 小さくまとまっていた。 セカンドステージに出演するバンドでは、最も期待していたので残念。


UNEARTH
12:00〜 悪い意味で、日本のニュースクールバンドを観ているようだった。 今年発表された「ONCOMIG STORM」は傑作なのに、ライヴではガツンとこなかった。


OTEP
13:00〜 曲はあまり面白くないが、演奏は巧かった。 女性ボーカルが健闘。


LACUNA COIL
13:00〜 セカンド出演バンドでは、歌い上げる女性ボーカルがいて異色。 観た位置が悪かったのか、ベース音がデカすぎて、途中で気持ち悪くなった。 個人的に気に入っている、1stアルバム収録曲は演らなかった。


BLEEDING THROUGH
14:00〜 曲はありがち、演奏力はそこそこ。 せっかくキーボード奏者がいるのに、コードを弾くのみで勿体無い。


HATEBREED
15:10〜 勢いだけ。 ドラマーは、GODSMACKのボーカル*4よりも下手。 ボーカルがMTVでMCを務めているせいか、またまたツアーを重ねたせいか、客を盛り上げるのは上手。


SLIPKNOT SLIPKNOT
SLIPKNOT
16:05〜 別格。 最新作の曲は、"The Blister Exits"と"Duality"の2曲のみで、完璧なベスト選曲。 演奏時間が40分しかなかったためか、MCはほとんどなく、"Spit It Out"での「Shit down」もなかった。 ほぼ最前列で観たが、上のような写真が撮れるほどで、時折クラウドサーファーがやってくるのと、時折近くのガキが蹴ってくる以外に、危険はなかった。
というか、撮影禁止のはずなのに、セキュリティの兄ちゃんの、「おいお前のカメラ貸せ、俺がもっと近くでバンドの写真撮ってやる」的態度に驚かされた。

*1:最後の方に出演するバンドは、そこそこ大物バンドのことが多い。 今年の場合、最後3バンドは出演順固定、それ以外は、出演順は会場により流動的。

*2:もっと詳しく書くと、サイン会を行ったのは、セカンドステージ出演全バンドとSLAYER。 SLAYERはケリー・キングのみ、SLIPKNOTはドラムのジョーイら計3人、他はメンバー全員。 UNEARTHのライヴが良かったら、お前ら目当てでわざわざ日本から来たぜ的なことを言うために、CD買ってサイン会に参加しようと思っていたが、上述したように、あまりガツンと来なかった。

*3:lostprophetsも出てたんだと、しばらくしてから気付いた。 あの頃は曲がいまいちだった。

*4:彼らのライヴでは、ドラムセット2台使い、ボーカルとドラマーが、ドラムバトルを繰り広げることがある。 というか、ボーカルの奴は元々ドラマーだったらしいから、あれだけ歌が上手いのが驚異的なのかもしれない。